弁護士 合田雄治郎

合田 雄治郎

私は、アスリート(スポーツ選手)を全面的にサポートするための法律事務所として、合田綜合法律事務所を設立いたしました。
アスリート特有の問題(スポーツ事故、スポンサー契約、対所属団体交渉、代表選考問題、ドーピング問題、体罰問題など)のみならず、日常生活に関わるトータルな問題(一般民事、刑事事件など)においてリーガルサービスを提供いたします。

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合田綜合法律事務所
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弁護士費用を相手方から取れますか。

1 弁護士をしていて、よく聞かれることの一つに「弁護士費用は相手から取れますか。」というものがあります。

 その答えは、「訴訟における請求の仕方によって異なります。ただし、弁護士費用を取れる場合でも、実際に弁護士に支払った全額を相手方から回収できることは稀です。」ということになります。

 そして、私がこのように答えると、大抵の方から、「えぇ~、そうなんですか!?」という、さも意外そうな反応が返ってきます。

2 以下で、理由を説明します。
(1) 前提として、訴訟以外の示談等で解決した場合には、弁護士費用は各自負担するのが通常です。

 そして、訴訟となった場合でも勝訴が前提となることは容易に想像がつくでしょう。

(2) 問題は「請求の仕方によって異なる」という点です。

 専門的になってしまいますが、相手方の不注意な行為などで当方に損害が生じたときにその損害の賠償を求める場合(不法行為責任)には弁護士費用を請求することができるが、相手方の契約違反の責任を追及する場合(契約責任)には請求できないと裁判所は考えています。

 わかりやすい例でいうと、前者は交通事故の被害者が加害者に損害の賠償を求める場合、後者は貸したお金を返さないためその返済を求める場合が挙げられます。

(3) そして、弁護士費用の請求が認められる場合でも、ケースにより異なりますが、認められた損害額の1割程度というのが相場のようです。

 すなわち、勝訴したとしても、実際に弁護士に支払った額と関係なく弁護士費用の額が決められることになります。

 さらには、勝訴して認められた弁護士費用より実際に支払った弁護士費用の方が高額であることが多いので、「実際に弁護士に支払った全額を相手方から回収できることは稀」という回答になります。

(4) 話は少し逸れますが、勝訴した判決に「訴訟費用は~の負担とする」という文言があったとしても、その「訴訟費用」の中には原則として弁護士費用は含まれないと解されています。

 この「訴訟費用」も誤解を生む大きな原因だと思います。

3 ……とここまでは、弁護士に聞けば誰でも答えてくれるところだと思います。

 私なりのアドバイスを差し上げるとすれば、基本的には弁護士費用は相手方から回収が難しいもので、訴訟の勝敗を別にしたコストだと考えていただくということです。

 そうなるとやはり、弁護士に依頼する時点で、コストである弁護士費用がいくらかという点が大きな関心事になるのであり、提示された金額を支払うことによって満足の得られる結果が得られるのか、という点をよく検討していただくことが必要になると思います。

 

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