弁護士 合田雄治郎

合田 雄治郎

私は、アスリート(スポーツ選手)を全面的にサポートするための法律事務所として、合田綜合法律事務所を設立いたしました。
アスリート特有の問題(スポーツ事故、スポンサー契約、対所属団体交渉、代表選考問題、ドーピング問題、体罰問題など)のみならず、日常生活に関わるトータルな問題(一般民事、刑事事件など)においてリーガルサービスを提供いたします。

事務所案内

内観

合田綜合法律事務所
〒104-0028
東京都中央区八重洲2-11-2
城辺橋ビル4階

TEL : 03-3527-9415
FAX : 03-3527-9416

10:30~18:30(月曜~金曜、祝日は除く)

代表選考について(1) 

1 オリンピック、とりわけ2020年の東京オリンピックに出たいと考えてトレーニングに励んでいる日本のアスリートは少なくないと思います。

オリンピックやワールドカップなどの大きな国際大会には、通常は誰でも出られる訳ではなく、国内競技連盟等(以下、NF(national federation))が最終的に代表を決めます。

その決め方は、各スポーツのNFにより様々です。


2 サッカーや野球などの団体スポーツにおいては、監督等が想い描くチームになるよう代表を選ぶことが多いようです。

ともすれば、監督等の恣意、いわば好き嫌いで代表が選ばれるおそれもあります。

しかし、代表の選考に当たっては、チーム内での役割分担や他の選手との調和もあるので、客観的な物差しを提示することは難しい面があります。

そこで、監督等に選考を任せる代わりに、結果についても責任を取らせるということになっているのです。

3 これに対して、個人競技においては、個人の結果が全てであり、チームという概念は希薄で、他の選手との調和という要素も殆ど考慮する必要がありません。


そこで、大会直近の指定された大会での成績など、ある程度の客観的な物差しで代表を決めることが可能です。そして選考の責任はNFが一切を負うべきものです。

4 個人競技における代表選考について、重要なのは二点です。


一つは、選考基準はできるだけ客観的なものにすべきこと(基準の客観化)、もう一つは、選考基準を予め開示しておくこと(基準の開示)です。

これは選手の側から考えてみると、ごく当たり前のことだと思います。


その大会に出たい選手は、選考基準が明らかになっていれば、その基準をクリアするという具体的目標(例えば、選考の対象試合での達成すべき成績)をもってトレーニングができます。

また、仮に基準を満たすことができず代表に選考されなくても、それは基準をクリアできなかった自らの責任であると諦めもつくと思われます。

5 今回はここまでとし、次回は具体的な選考基準について考えていきたいと思います。

記事一覧