弁護士 合田雄治郎

合田 雄治郎

私は、アスリート(スポーツ選手)を全面的にサポートするための法律事務所として、合田綜合法律事務所を設立いたしました。
アスリート特有の問題(スポーツ事故、スポンサー契約、対所属団体交渉、代表選考問題、ドーピング問題、体罰問題など)のみならず、日常生活に関わるトータルな問題(一般民事、刑事事件など)においてリーガルサービスを提供いたします。

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合田綜合法律事務所
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クライミングと危険

1 私は現在、山岳事故・クライミング事故の防止や登山・クライミングの安全に関わる調査・研究をしています。
調査・研究の一環として事故例をみていてつくづく思うことは、クライミングというのは危険な行為なのだという至極当たり前のことです。そして、クライミングをするにあたって危険とどのように向き合うべきか、ということを考えさせられます。
私は主としてフリークライミングをするので、フリークライミングを例にとって述べていきます。

2 事故の原因としては様々なものが考えられますが、その中で最も多いのはクライマー自身のミスを主原因とする事故です。
ロープを結び忘れた、ハーネス(安全ベルトのこと。ベルトの折り返しをしないと危険)のベルトの折り返しをしなかった、ボルダリングマットのないところに落ちてしまった等の命に係わる深刻なミスから、軽傷で済むような軽微なミスまで挙げるときりがないほどです。これらのミスは避けることができるものですし、避けるようにしなければならないものです。
しかし、絶対に安全なクライミングなどあるかと問われれば、これは否といわざるを得ません。避けようのない危険もあるからです。自然の中である程度の高さまで登るという行為をする以上、絶対に安全ということは考えられません。

3 では、もし絶対に安全なクライミングがあるとして、それをしたいかと問われても、私は否と答えます。
リスクを負いながら、これをコントロールするためにあれこれ格闘することが、私にとってのクライミングの重要な要素なのです。
私はたまに、ロープを結んでクライミングをしている最中に、きちんとロープを結んでいるか気になって、結び目を確認しまうときがあります。このようなときは大抵、精神的に萎縮してしまいパフォーマンスも低下してしまいます。危険を認識してはいるけれども、コントロールはできていないということなのでしょう。

4 クライミングをするに際して、その危険を認識しなければならないことは大前提です。その上で、認識するだけではなく、常に危険を意識し、コントロールするように努めなければならないのです。
このことは、「危険を認識する」というよりは、「危険を感じている」という方が適切な表現なのかもしれません。
登山も含めて、クライミングをするときには、いつも「危険を感じている」ことこそが、事故防止のために最も重要なのではないかと考えています。

 

 

 

 

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