中央大学法学部で兼任講師を務めさせていただきます
1 この4月から、中央大学法学部で兼任講師を務めさせていただくことになりました。
私は、ホームページのプロフィールにも書きましたが、長らく家庭教師をしていたため、「人を教えることは、もう十分やったかな」という気持ちがありました。
他方で、以前に5年間ほどクライミング初心者対象のインストラクターをしていたとき、初めてクライミングを体験する皆さんが顔を輝かせて登る姿をみて、「クライミングの楽しさを伝えることは遣り甲斐があるな」とも感じていました。
2 そのような割り切れない気持ちでいたところ、昨年10月に修習生(司法試験に合格し、トレーニング期間中の法曹の卵)にスポーツ仲裁に関する講義をする機会がありました。
前年同じ講義を担当していた方から、スポーツ法に興味がある修習生は殆どいないから、大変かもしれないとの申し送りがありました。困ったなと思っていたのですが、少しでもスポーツ仲裁やスポーツ法に興味を持ってもらうため、マイクを回し対話形式の講義を行うことにしました。
さすが修習生で、私の質問に対し鋭い回答で切り返し私が唸らせられる場面もありました。私としては、全般的にみて、修習生の皆さんとコミュニケーションがとれて、講義はそこそこ上手くいったと思っています。
3 そして、今回の中央大学法学部のお話をいただきました。修習生への講義の経験からか、打診に対して「よろしくお願いします」と即答していました。
担当は、インターンシップⅣという講義です。簡単にいうと、インターンシップによって法律事務所に派遣される学生の皆さんに、その準備として法曹の仕事はどのようなものかを知ってもらう、というものです。
この講義において学んで欲しいことは、法曹の仕事をはじめとして沢山ありますが、その中でも第一にコミュニケーション能力の重要性についてです。コミュニケーションをとる能力は、どのような仕事をする上でも、更にいうと、人間が生きていく上でも、欠かすことのできない最も重要な能力のひとつであると思います。
そして、人と人との関わりに関与していく法曹、その中でも弁護士には、特にコミュニケーション能力が求められます。交渉におけるコミュニケーションの重要性は言うまでもないと思いますが、裁判においても、裁判官、相手方(検察官)、書記官・事務官、証人、その他関係者、そして依頼者とコミュニケーションをとることは極めて重要です。
4 かく言う私もコミュニケーションをとることの難しさは日々痛感しているところです。また、コミュニケーションが首尾よくとれて、仕事が成功したときの喜びも知っているつもりです。
学生の皆さんとコミュニケーションをとりながら、コミュニケーションの重要性について一緒に学んでいけたらと考えています。