弁護士 合田雄治郎

合田 雄治郎

私は、アスリート(スポーツ選手)を全面的にサポートするための法律事務所として、合田綜合法律事務所を設立いたしました。
アスリート特有の問題(スポーツ事故、スポンサー契約、対所属団体交渉、代表選考問題、ドーピング問題、体罰問題など)のみならず、日常生活に関わるトータルな問題(一般民事、刑事事件など)においてリーガルサービスを提供いたします。

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合田綜合法律事務所
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被害者参加・被害者支援

1 被害者参加制度という制度があるのをご存知でしょうか。

不幸にして刑事事件の被害者となる方のほとんどは、まさか自分が被害者になるとは思っておられないと思います。また、犯人が逮捕されても、有罪判決が下されても、懲役が何年になっても、さらに言うと極刑になっても、決して気が晴れることはないものと思います。

私自身は深刻な犯罪の被害者になったことはありませんが、被害者の方々は、それぞれ、その先の人生を生きていくために、何らかの心の整理をつけていくのだと推察します。

そのような心の整理をする手立てとして、刑事手続に参加するという制度があるのでご紹介します。

刑事手続に参加なんて荷が重すぎると思われるかもしれませんが、被害者やその遺族になってしまったときには、捜査段階から公判段階まで、警察や検察に協力を求められます。そのような刑事手続へのいわば消極的な協力という以上に、刑事手続への積極的な関与をすることができます。そのひとつが被害者参加制度です。

2 被害者参加制度を利用すると、検察官に意見を述べたり検察官から説明を受けたりすること、裁判に出席すること、裁判の中で証人に尋問すること、被告人に質問すること、自らの意見を述べることができます。合わせて、刑事記録の許可部分を見ること(閲覧)やコピーをすること(謄写)ができます。

そして、弁護士が、法律の専門家として、被害者参加人をサポートすることができます(被害者参加弁護士)。被害者参加弁護士は、上記に列挙した被害者参加の際にできることを共に行ったり、代わりに行ったりすることができます。

このように、被害者の方は刑事手続に積極的に関与することで、加害者の事情や事件の背景がより深く理解できるでしょうし、たとえ望むような判決でなくとも、何らかの心の整理はできるものと思われます。

なお、この制度は、人の命や身体をわざと(故意に)害するような犯罪や交通事件、性犯罪など、一定の種類の犯罪被害を受けられた方々が利用することかできます。したがって、それ以外の犯罪の被害者の方は被害者参加をすることはできませんが、別の形でサポートを受けることができます(被害者支援)。

3 被害者参加制度の対象事件に含まれないため被害者参加制度を利用できない方でも、対象事件に含まれるが被害者参加制度を利用したくない方でも、被害者支援という形で弁護士のサポートを受けることができます。

被害者支援の内容としては、捜査段階から公判まで刑事手続における付き添い、告訴状の作成、マスコミ対応、加害者との示談交渉や損害賠償請求などのサポートがあります。

被害者参加制度よりは、支援の範囲は狭まってしまうものの、事件と向き合うために有効な手立てだと思います。

なお、警察や検察にも被害者支援の仕組みがあります。しかし、刑事手続においては、警察や検察は被告人の対立当事者となるので、被告人に適正な処罰を受けさせることが主眼となります。したがって、第三者的な立場にある弁護士の方がよりきめ細かいサポートを提供することができるといえます。

4 最後に、これらの制度を利用するに際し、経済的に費用の負担が難しい場合は、公的な援助を受けられる可能性があります。

被害者参加・被害者支援を利用するか否かは、費用の点を含めて、様々の要素を考え合わせて決めるべきことだと思いますが、心の整理をつける、事件と向き合うという意味では意義深い制度だと考えます。

 

 

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